第17回フォーラム「医療の改善活動」全国大会 in 伊勢 開催のご案内


今秋の第17回フォーラム「医療の改善活動」全国大会は三重県伊勢市で開催させていただくこととなりました。
 近年の医療は、他職種連携のチーム医療やクリティカルパスによる業務標準化が進められるとともに医療の安全性や透明性など質の向上が求められています。臨床指標を用いた情報を元に診療の質を測定し改善が行われていますが、患者本位に立った質の向上には、サービスやホスピタリティと言った献身の精神も育まなければなりません。当地には「お伊勢さん」と親しみを込めて呼ばれる伊勢神宮があり、神宮にちなんだ言葉で、「おかげさまの心」と「常若」があります。「おかげさまの心」とは感謝を怠らない謙虚な気持ちであり、「常若」とは永遠に伝えられる命の輝きです。日本の医療環境が激変し、生命の尊厳が議論されようとする昨今、2つの言葉は医療に携わる我々にとって大きな意味を持つと思われます。
 今日本は、世界でも類を見ない人口自然減に陥っています。6年連続の減少を記録し、14歳以下の人口が65歳以上の半分以下になるに至りました。今後もこの傾向は進むものと考えられます。この問題に対処するために、将来の医療・介護・福祉資源の不足にも耐えうる新たなシステムが策定され、2025年度の本格運用をめざしていくことでしょう。1300年続く伊勢神宮の式年遷宮のように、いつまでも継承される安定したシステムの構築が期待されます。

さて、今回の特別講演は、日本赤十字社三重県支部 野呂昭彦支部長にお願いいたしました。衆議院議員や三重県知事を歴任され、長く経営品質管理に携わるとともに伊勢の地の歴史、神話に精通されております。また、教育講演はシンポジウム形式に変更し、「組織の品質管理を描く」を主題にしました。各施設で獲得した品質管理システムについてご発表頂きます。

会場となる観光文化会館のほど近くには伊勢神宮の外宮があり、内宮前には美しい石畳の「おはらい町」が続いています。お伊勢さん特有の切妻・入母屋・妻入り様式の町並みが軒を連ね、その一角を占めるのが「おかげ横丁」です。江戸時代のおかげ参りを体験して頂きたいと考えます。

「常若」の伊勢の地で、皆様とお会いできるのを楽しみにしています。


第17回フォーラム「医療の改善活動」全国大会 in 伊勢
大会長 楠田 司
(伊勢赤十字病院長)