「ISO9001(2000年版)認証取得へ向けての取り組み」 「すべては患者様のために」。開院当初より理事長の掲げる院是のもと、 その理念を達成すべく様々な活動を展開してきました。 このため、当院ではアンケート調査・御意見箱による患者様の"生の声"の収集、院内巡回によるアメニティの整備などを継続的に実施し、いかに患者様のニーズを当院の経営に反映させるかという点に腐心してきました。 これら活動の展開により様々な面で改善がなされてきていると思われるもののさらなる挑戦の必要性を帯びてきたこと、そして近年叫ばれている"医療の標準化"への取り組みの1つとして、当院が着眼したもの、それが「ISO9001 」認証取得です。 急速に進行する少子高齢化等、保険財政の逼迫は止まらず、これにより医療機関のありかたも従来の護送船団的イメージから"患者様に選ばれる病院"へと大きく変化しようとしています。 そのような状況をふまえ、当院では従来の活動をさらに拡大し、外来〜入院・退院にいたるまでの流れを"工程"としてとらえ、医療サービス全体の標準化及び医療サービス提供における品質マネジメントシステムの確立・運用を目的とし、現在取り組んでいるところです。 当初は'94年版ベースで活動を開始しましたが、規格要求事項がそもそも製造業的発想によるためなかなか"医療サービス"に馴染まない部分が多々あり、 その読み替えに苦心していましたが、昨年末に2000年版が発行されたことにより、内容的にも若干シンプル且つサービス業での取り組み(解釈・読み替え)がしやすくなったことから2000年版ベースに切り替えました。 「文書に始まり文書に終わる」というISOの基本理念は突発的且つ流動的である医療サービスにおいてはなかなか馴染まない部分があり、いくつもの難関を目前に事務局も横々な方策を講じ、挑戦しているところです。しかしながら、活動推進上最も重要であり基本的なこと、それは各所属長を中心 とした職員全体の十分な認識と決意であることは否めない事実であると思います。 審査を目前にし若干の焦燥感もありますが、前述したポイントをいかに浸透させるかは、単に審査で終わることなく今後の継続的課題であると考えています。 以上のように、今回のISO認証取得活動を通し、活動そのものもさることながらその副産物にも大きな期待を抱いているところです。 (杉山 浩司:(財)脳神経疾患研究所付属 総合南東北病院 ISO事務局 )
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