喫食率を向上させよう!

栄養管理科 Rainbowサークル 中島せつ子 池田佳良
「Rainbowサークル」は管理栄養士2名という少さなサークルですが、Rainbowという名に、このQCサークル活動が夢や希望への橋渡しとなるよう願いを込めました。





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テーマ

今回で3件目となり、今回は「食材の在庫管理できていない」「残菜量が多い」「パソコン入力ミスが多い」「患者にとって快適な食環境が整っていない」の4つの問題点が浮上しましたが、質を重要視し、評価項目においても総合評価の高かった「残菜量を減らし、喫食率を向上させよう!」をテーマとしました。
その選定理由は、少しでも多くの方の喫食率が上がることで病気や怪我の回復力の向上、褥瘡の予防及び改善は勿論のこと、食事が楽しみであると満足して頂ける食事提供を目指したいと考えたからです。

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活動計画

 まず、8月中旬より11月の3ヵ月半で活動計画を立てました。
 現状把握として、残菜量は一体どれぐらいあるのか詳しく調べる為、9月1日から15日の間、毎食ごとに残菜量の測定を行ったところ、入院患者1人1日当りの平均残菜量は1日の全食事量の15%に相当していることがわかりました。
 また、9月1日から15日の期間中の個別残菜調査結果より、10段階評価による1人1食当りの平均喫食割合は8.3でした。
 そこで、目標は平均残菜割合を11月中旬までに15%から10%にする、平均喫食割合を8.3から9.0にするとしました。

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要因解析

 なぜ残菜が多くなるのか要因分析を行ったところ、患者様の体調不良以外にも様々な要因が重なり合って喫食率を下げていることに改めて気づかされました。
 そのため、対策を検討した結果、①積極的な病棟訪問の実施、②看護婦及び介護スタッフ等からの患者情報収集の充実、③調理勉強会の実施、④盛付の徹底、⑤献立内容の見直しの5項目を行っていくことにしました。

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効果の確認

 効果の確認です。対策を実施後の11月1日から15日の入院患者1人1日当りの平均残菜量は1日の全食事量の11%となりました。
 また、11月1日から15日の10段階評価による1人1日当りの平均喫食割合は8.9へとアップしました。
 よって、この対策を行ったことで、ほんのわずか目標値には届かなかったものの、残菜が減り、喫食率も上がったということで、ほぼ目標達成です。
これを標準化していくために、

こととしました。

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反省

反省です。今回の活動を通して、「残菜が減り、喫食率が上がった」「いろいろな人に食事に対する意識付けができた」「様々な情報が得られるようになった」ことは大変良かったのですが、まだ完璧には目標を達成できていません。盛付は忙しいとどうしても雑になる人がいるのは残念です。また、献立や味付は個人好みや病院ということもあるので、全員の希望に添ったものには、近づくことはできても完璧にはならず、永遠の課題だと思われます。
今回の活動では、ほぼ目標は達成できたものの、まだ完璧ではなく期間も短かったため、今後も継続した対策及び更なる対策を行っていく事が必要です。しかし、この活動を通して、様々な角度からいろいろな情報や意見を聞くことができ、徐々にではありますが個別対応も行えるようになってきたので更に充実したものに、また患者様への食事指導の充実とともに、私達自身また、それに携るスタッフとの勉強会を行うなど、全員の知識・関心を深め、一丸となってより良い給食を提供できるよう努力していきたいです。