第16回フォーラム「医療の改善活動」全国大会 in 福井
開催に向けて
この度、第16回フォーラム「医療の改善活動」全国大会を福井県で開催させていただく事となりました。
20世紀末から医療の標準化、質的向上、効率化が求められ、病院の診療体制は患者中心のチーム医療に変化してきました。そして、日本が超高齢社会を迎え、更なる医療提供体制の変革が求められています。この変革は患者本位の医療の視点から、また医療費の適正化の視点から語られなければなりません。厚労省が提示した「医療と介護サービスの提供体制2025」は10年の時間的猶予もなく、医療法や診療報酬改定によって医療現場に様々な形で導入されることでしょう。
どのような医療が患者のニーズ、地域のニーズに応えることができるのか、またどのような医療提供・連携体制を深化させるのが良いのかなど、今まさに医療の質が問われています。これまでの医療の改善活動の成果を基にして、医療現場を今一度再点検する必要に迫られています。
第16回フォーラムのテーマを「私たちの病院イノベーション ~協働して医療の未来へつなぐ~」としました。フォーラムでは、地域に応じた各病院の未来への取組みや運営方法の工夫、また変革を目指した多職種による診療現場の改善活動などについて、その成果や事例を熱く語り合う場にしたいと考えています。特別講演は、2013年度経産省「グローバルニッチトップ企業100選」に選ばれたセーレン(株)の川田達男会長兼CEOにお願いし、福井県の染料会社から繊維を中心にした世界的企業へと変身してきた組織の改善活動や運営手法を学びたいと思います。教育講演は、玉川大学経営学部国際経営学科教授の大藤正先生にお願いし、「品質管理におけるTQMの役割」という題で講演していただきます。皆様には、有意義な講演をお聞きいただけるものと確信しています。
6月に佐久総合病院の皆様のお世話で、当院において開催しました「北陸プレセミナー」には120名を超える参加があり、「西日本セミナー」といった盛況振りでした。11月の第16回フォーラム全国大会は、福井では初めての開催となります。全国から多くの皆様にお集まりいただき、発表していただけるよう、福井循環器病院の協力を得て、一生懸命に開催準備を進めています。
福井県は自然に恵まれており、秋は特に、海の幸や山の幸が豊富で、素晴らしい食文化が展開されます。一方、2億5000万年前の恐竜時代の化石発掘が盛んで、世界3大恐竜博物館の一つとされる博物館が福井県勝山市にあります。また、幸福度が日本一の県とも言われます。11月中旬はやや肌寒いかも知れませんが、福井の地で実り多き秋を楽しみ、幸せな気分に浸りながら、未来につながる病院イノベーションの “大きなWAVE”が起こる事を期待しています。
医療の質向上を目指す皆様の参加をお待ちしています。
大会長 野口 正人
(福井赤十字病院長)