• 工程FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)…工程の潜在不良モードを
 予測し、それを未然に防止するために、製造工程に対する改善、処置を行う。
  • 工程能力調査…工程が経済的に製造品質を規格内に維持できるかどうかを診断し、工
 程の改善を行う活動。
  • QC工程表…一連の製造工程における加工条件、組付条件、検査方法などについて、
 技術上の実施事項、管理方法を定めた技術基準。
  • 作業標準…QC工程表の内容と現場の作業上の経験から、個別の作業に対して、その手順、コツ、品質チェックの方法、異常処置などについて示した標準。

1.製造における品質保証システムの例


3.きめられたことをきめられたとおりに行えるようにするためのしつけ
 きめられたことをきちんと行い、品質水準を変えないことを維持管理といい、作業標準の遵守・徹底、品質確認、異常処置の3つがその重要な要素である。
(1)作業標準の遵守・徹底
 先ず、管理・監督者が正しく標準をきめることが前提であり、よい作業標準の条件とは、
@作業の目的が達成できるものであり、誰もが守れる標準であること。
A作業上のポイントが明確になっていることであり、要因(このようにして作業する)と結果(このようなできばえが実現できる)の両面から示すこと。
B誰がみても理解しやすい標準であること。(重要なポイントを図や写真で示す)
C安全上の注意事項や異常の場合の処置がきめられていること。
である。
 そして、きめられた標準どおりに作業を行うためには、日頃から作業者に品質意識と作業標準の大切さを徹底しておくことが大切である。「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば人は動かず」の言葉にあるとおり、管理・監督者は、作業標準どおりの仕事が行われているかを、絶えず確認し指導することが大切である。
 これからは一人の作業者に単一工程だけではなく、多工程を修得できるようにすることが求められている。そこで一つひとつの工程について、作業標準の手順、カン・コツ、急所を口に出して正確に言い、その作業を正しく実行できる。そして、2カ月間不良を出さないことを目標に、全員が多工程を修得することを奨励している職場がある。
(2)品質確認の徹底
 品質確認は、自工程の品質を100%保証して、後工程に対して「不良品を流さない」ことを立証する標準作業である。一連の工程が100%保証されてはじめて、お客様に
100%保証する製品を実現できるのである。品質確認でのポイントは、
@結果(例えば、はんだ付けの引張り強度)と要因(例えば、はんだ付けの温度、時間、方法 
 など)の両面からチェックする。

A点検者、点検間隔、判断基準、計測方法、データにもとづく管理などのやり方をきめて、そ
 のとおり行う。

B自動化工程ではその加工メカニズムの妥当性が保証されていること、そして、初期と定期的
 な条件管理とサンプルによる品質確認が保証の決め手である。

C計測器、検査の正確さ、精度を点検し、正しい測定、判定が行なわれていること。
である。

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