青森市民病院 「QC活動の取組み」

 青森市民病院は診療圏人口34万人を抱える地域の中核病院として、地域の信頼に応えるため、よりよい医療の提供に務めることを病院の理念の掲げ、医療・看護の向上に努めてきました。組織は医療局・看護局・事務局の3局・3部(薬剤部・診療放射線部・臨床検査部)制で構成され、病院の概要は(表1)に示したとおりです。
 当院でQC活動を導入したのは平成9年4月にTQCサークル活動推進委員会(翌年TQCをTQMに規約を改正)が発足し、委員は各部門の長が推薦した11名で構成され総看護婦長が委員長となりスタートしました。
 最初に実施したことはQCサークル活動について理解を深めることを目的に、日科技連で発行している「QCサークル活動の基本」を婦長会19人および主任会29人に1冊ずつ配布して学び、読後感を原稿用紙2枚に感想文を書かせた結果、全員がQCの理念を理解できておりました。
 次に職員全員を対象に研修会を3回継続して実施しました。最初の研修会の講師は当時の日科技連QCサークル東北支部青森地区幹事長富樫氏が快く引き受けて下さり、総論的なことを学びました。初回の参加状況は医療局3、薬剤4,臨床検査部1、事務局1、看護局61名でした。また院内研修のほかに院外のQCサークル全国大会にも積極的に参加しました。
その後のQCサークルメンバーの活躍を見ると、これらの大会に参加したことは予想以上の効果があったと考えております。
 過去5年間の発表会の回数は院内での開催が14回であり、院外のQCサークル大会では10回発表しており、最優秀賞1件、感動賞7件受賞しております(表2)。
 また院内での発表会の演題総数は125 件で、看護業務改善に関するものが84件(67.2%)コストに関するもの9件(7.2 %)、労務に関するもの4件(3.2 %)、エラー防止4件(3.2 %) 
その他24件(19.2%)でした。これはQCサークル導入当初からテーマ選定の条件として身近な問題から取り組むように指導していたことが大きな要因と考えています。
 今後は内容としては形が整ってきているものの、やや突っ込みの足りないものが多いので、中身の充実に力を入れ、業務改善のほか病院全体で取り組んでいる医療事故防止に関するテーマ等を選び、今まで参加の少なかった医療局の参入を推進していきたい。
 また、平成12年7月27日、財団法人医療機能評価機構委員会の訪問審査を受けた時、手作りのQCサークル発表事例集は審査委員長から高い評価をいただきました。この発表事例集は毎年継続して作成し保存していきたいと考えています。
 最後にとても嬉しいニュースがありましたのでご報告させていただきます。それは第4407回(東海支部)QCサークル総合・交流大会(平成14年2月20日に愛知県大府市)に第4375回青森地区改善活動発表会で発表した当院のソフィアAサークルが招待を受けたことです。

(中村富子:青森市民病院 総括副総看護婦長 )
表1.病院の概要
病床数538床
診療科18科
病棟数12病棟
職員総数630人
医師56人
看護職407人(看護助手31人を含む)
看護2:1A看護
(平成12年度実績)
平均在院日数21日
病床利用率90.5%
1日平均外来患者数1,147人
1日平均入院患者数488.6人
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