第18回フォーラム「医療の改善活動」全国大会 in 倉敷 開催のご案内
この秋、10月の第18回フォーラム「医療の改善活動」の全国大会を倉敷で開催させていただくことになり、誠に光栄に存じます。
これからの医療を考えた時10年後には後期高齢者が現在より約770万人増加し、医療需要が著しく増大するにもかかわらず、少子化のために医療・介護の従事者が不足すると予想されます。一方、医療費は右肩上がりの状況の中、医療費財源は年々厳しくなり、更に来年春からの消費税の10%課税が延期となり、ますます医療費の財源確保が困難と成りつつあります。このような状況下で医療を提供する病院には病床再編と医療・介護連携強化、と共に医療機能の効率化が求められています。医療関係者が自らの医療の改善に目覚め、改善システムを学び積極的に取り入れて、日々改善に努力しつつ、医療・介護の情報を共有し、地域の特性を尊重しながら互助の精神で協力していくことが望まれます。
古代に畿内、出雲国と共に大きな勢力を持ち文化の隆盛を来たした吉備の国は備前・備中・備後に分割され、倉敷を含む岡山県西部は備中国に属し、ここには多くの古代文化の足跡が残されております。約60年前、備中国の中心を流れる高梁川を、地域を結び付ける「紐帯」と捉え、「高梁川流域連盟」が創設されました。高梁川流域の倉敷市をはじめ7市3町の自治体が加入し、川の流れと共に生き、豊かな恵みを共有し、地域の相互理解や連帯意識を持って流域の文化向上のために活動をしています。そして医療においても相互理解、地域連帯、連携が進められており、これからの日本の医療のあり方を示唆するモデル地区とも考えられます。
今回、特別講演は日本最初の西洋美術館として開館し、数多くの芸術作品を所蔵している大原美術館館長の高階秀爾先生にお話を頂くことといたしました。またシンポジウムは「医療のTQMを考える-管理者の責任を描く」を主題とし三人の先生方にお願いを致しました。
倉敷を代表する観光スポットの倉敷美観地区や大原美術館は大会会場の倉敷市芸文館から散策できる位置にあります。可能であれば時間の許す限り、古代吉備文明に思いをはせると共に、天領の地として江戸時代の風情を残しながら、また文化の薫のする倉敷の旅情を楽しんでいただきたいと存じます。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
大会長 山形 専
(倉敷中央病院院長)