医療のTQM推進協議会の活動や厚生科学研究「病院医療の質保証システムに関 する研究」「医療の総合的質管理に関する実証的研究」の成果が社会的な注目を 集め、会場には取材関係者の姿も見受けられました。また、今回のフォーラムに は前記のとおり、278名の参加者がありましたが、非会員施設からの参加者が 90名を超えており、会員施設だけではなく、多くの病院が医療の改善活動に目 を向けていることがわかりました。
次年度の第4回フォーラムは再び東京に戻って武蔵野赤十字病院さまの担当で行 われます。さらにこの活動に参加する病院が増え、全体として医療の質が向上し ていくことを祈念してやみません。最後になりましたが、第3回フォーラムの担 当にあたりましては不行き届きな点が多々あり、皆様に多大なご迷惑をおかけし ましたことをこの紙面をお借りしてお詫び申し上げます。多数の方にご参加いた だきまことにありがとうございました。
(文責:飯塚病院企画管理課 岩佐紀輝)

第3回フォーラム活動事例発表の講評
医療法人カレスアライアンス日鋼記念病院
理事長 西村 昭男
第3回フォーラム「医療改善活動」は"信頼される医療をめざして"の副題を添えて飯塚病院の当番で(担当:立石春雄幹事)発表大会が多数の参会者を得て開催された。
総括的な講評を命じられたが、発表の総てを聴けなかったので、初めて参加させて頂いた本大会の印象を含め私見を述べることにします。
 活動事例発表はQCストーリー以外の2題、QCストーリーに則った19題の21の口頭発表があった。応募施設は19病院で、北は北海道から南は沖縄まで全国の跨っていたが、開催地の関係もあってか、大阪以西が80%と偏りが見られました。 また、発表部門別では、看護部門9題、臨床検査部門・薬剤部門各3題、医師部門・事務部門各2題、栄養部門1題と同様な傾向で、医療の主体的業務を担う医師の参加、或は、協力を望む声が発表や講評のなかでも少なくなかった。
発表は4セッションに分かれて、それぞれ分担のコメンテーターから短い講評があった。
QCストーリー19題は、問題解決型 14題、課題達成型 4題、施策実行型 1題で、いずれも発表のルールに従った立派な発表であった。そしてPCパワーポイントを用いた説明が殆どで、中には高度の作成技術を駆使して聴衆を惹きつけた発表もあった。
 医療のTQM推進協議会の本年度事業計画のなかでも、医療事故防止と質改善とは別々の課題ではなく、合い携えて推進されるべきことが強調されている。そしてQCサークル活動から課題別改善チーム活動への発展を支援することを取り上げている。今回、早大理工学部の棟近教授による「品質管理の視点で捉えた医療事故の防止」の特別講演があり、TQMの手法を生かす方策など極めて時宜を得た内容であった。また、QCストリーのうち3題が医療事故防止に関連する発表であった。
 優秀賞はQCストーリーの型に則した審査基準(100点満点)により選定され、前回に引き続き会場が表彰式で盛り上がった。今回は、各セッションから1施設づつ優秀賞が選定され、PL病院、三荻野病院、練馬総合病院、武蔵野赤十字病院の4サークルが表彰状と賞金を手にされた。4病院とも長年の活動経験から高いレベルの内容で甲乙付け難いものであった。
なかでも、PL病院のモナリザサークルの「蝶々の針よ、さようなら」は困難な数値目標を超えた成果で、相当な金額の節約効果も達成された。実践的なテーマで、簡明なストーリーが印象的であった。
 次回の第4回フォーラムは武蔵野赤十字病院の担当で東京において開催されます。我が国でも、医療の総合的質の向上・改善に向けた医療実践者の活動は多くの職種を巻き込んで更なる発展が大いに期待されます。「継続は力なり」で、一層のたゆまない努力を会員の皆様にお願いします。

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