○ 業務改善運動 TQM活動のもうひとつの柱はQC手法による小集団活動としての『業務改善運動』です。『業務改善運動』は各職場の主任・副主任といった監督職がリ−ダ−となり、職制の中で業務改善チ−ムをつくってQC手法による現場レベルでの改善活動を行います。
リ−ダ−を指導するアドバイザ−には科(課)長をおき、テ−マの選定の段階から 直接指導を行うことによって『方針管理』と『業務改善運動』は緩やかなリンク の関係にあります。
業務改善運動の活動期間は1テ−マについて6ヵ月以内、1つの部署で年間2テ− マを行うため、法人内で年間約140テ−マ、平成13年9月末現在で746テ −マが完結しました。
第6回愛仁会業務改善運動成果発表大会風景
第6回愛仁会業務改善運動成果発表大会風景
法人の各病院・施設には運営諮問委員会として業務改善委員会を設置し、毎月1 回の月例委員会で業務改善チ−ムのリ−ダ−による活動報告がなされます。業務 改善委員会には、病院・施設の運営委員である院長、副院長、看護部長、技術部 長、事務部長と、活動の進捗状況を報告するチ−ムのアドバイザ−、さらに法人 本部方針管理推進室長が出席し、活動へのアドバイスと指導を行います。
「現場で検討して得られた問題解決のプロセスは、法人の財産である。」という 視点に立ち、ある病院・施設での活動成果は方針管理推進室によって他の法人内 の病院・施設にも紹介され、多くの現場で問題解決のヒントとして共有化される システムを取っています。法人内の病院・施設では年度半ばの9月と年度末の3 月に施設業務改善運動成果発表会を開催し、その優秀活動事例を集めて毎年11 月1日の愛仁会法人創立記念日に全社大会を開催します。
この大会はQC手法による職場の問題解決や医療・福祉の質を向上するための模 範例として教育的な側面も併せ持ちます。 本年も大阪千里のよみうり文化ホ− ルで全職員の約55%にあたる800名の参加を得て(11月1日は法人創立記念日 のため外来診療は休診日です)、第6回愛仁会業務改善運動成果発表大会が開催 されました。例年この発表会での優秀事例を医療のTQM推進協議会主催の『フォ −ラム医療の改善活動』で発表しています。
TQMの結果、職員意識調査における目標の具現化に対する職員の動機付け(モチベ−ション)の向上がデ−タとして確認されています。今後も医療の世界にTQMがしっかりと根付くように『方針管理』・『業務改善運動』さらに『日常管理』の質向上に努力したいと思います。
(坪 茂典:特定医療法人愛仁会本部・方針管理推進室長)




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