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第2回フォーラムの報告

平成12年11月25日(土)医療のTQM推進協議会が主催する、第2回フォーラム〜医療の改善活動〜が大阪市立大学医学部で開催されました。
当日は、98施設より医師・看護婦等、医療従事者を中心としたさまざまな職種の376名の方々が参加され活気のあるものとなりました。
このフォーラムは、医療の質の改善と向上に積極的に取り組んでいる病院が集まり、年に1回開催されるもので、今回は『信頼される医療をめざして』をテーマに開催されました

第2会フォーラム〜医療の改善活動〜の主な内容

特別講演「質と質管理の考え方」
講師:赤尾 洋ニ 教授(朝日大学大学院経営学研究科)

改善事例発表(2会場3部に分かれて発表)

◎印は優秀賞受賞病院

第1部第2部第3部
大講義室中講義室中講義室大講義室中講義室
QCサークル活動以外QCサークル活動QCサークル活動QCサークル活動QCサークル活動
取手協同病院日鋼記念病院東住吉森本病院済生会中津病院◎三萩野病院
医真会八尾総合病院水戸総合病院水島中央病院◎武蔵野赤十字病院熊本労災病院
◎名古屋記念病院博愛会介護老人
保護施設あいかわ
益田医師会病院神鋼加古川病院愛仁会高槻病院
練馬総合病院 ◎佐久総合病院博愛会病院青森市民病院
PL病院◎みどりヶ丘病院◎PL病院_blank_blank
_blank_blank飯塚病院_blank_blank

以上、22施設23事例

パネルディスカッション「医療エラー防止システムの構築をめざして」

パネリスト:三宅 祥三副院長(武蔵野赤十字病院)
森 功理事長(医真会 医真会八尾総合病院)
棟近 雅彦教授(早稲田大学理工学部)
飯塚 悦功教授(東京大学大学院)

今回、最も参加者の関心を集めたのは「医療エラー防止システムの構築をめざして」をテーマに行なわれたパネルディスカッションでした。4名のパネリスト(上記)から院内のエラー防止システムの改善方法やさまざまな統計データの発表が行なわれ、会場も巻き込んだ熱心な討議が約2時間にわたって繰り広げられました。
また、今回初めて発表事例に対しての審査・表彰が行なわれ、発表した23事例の中から6事例が優秀賞として表彰されました。優秀賞を受賞された方々には今後の励みに、また、受賞を逃された方々には、今後の目標になったのではないでしょうか。
次回の第3回フォーラムは、麻生セメント株式会社飯塚病院(福岡県)が担当事務局病院となり、平成13年11月に福岡県で開催される予定となっています。次回もたくさんの参加があることを期待したいと思います。
(第2回フォーラム事務局 北島政憲)

優秀賞受賞
(医)名古屋記念財団
名古屋記念病院
当院におけピアレビュー活動とその周辺ピアレビューセンター
(医)裕生会
みどりヶ丘病院
精密検査は当院で〜手遅れにならないためのCS活動〜健康管理室
長野県厚生農業協同組合連合会
佐久総合病院
外来でのより良い接遇を目指して―患者満足へのお手伝い―看護部
(頭痛にノーシン)
(医)宝生会 PL病院3番撮影室における着替えの説明を分かりやすくしよう!放射線科
(ヤングα)
武蔵野赤十字病院未使用消毒綿球の破棄量を減らそう看護部
(グランブル)
(財)小倉地区医療協会
三萩野病院
苦痛を与えないポータブル撮影を行なおう放射線科
(フラッシュ)
第2回フォーラム活動事例発表の講評
労働福祉事業団・熊本労災病院 岡村健二

今回、「第2回フォーラム・医療の改善活動」の発表大会に参加し、かつ審査委員長を命じられたわけですが、すべての事例発表を拝聴できませんでしたので、以下本大会の印象を含め私見を述べきせていただきます。

活動事例発表はQCストーリー以外のもの5題、QCストーリーに則ったもの18題の計23題の発表が、5つのセッションに分かれて行われた。QCストーリー以外の活動事例発表のうち2つが医療事故防止に関するものであり、午後のパネルディスカッションでも取り上げられ、最近注目されている分野である。その要点は「個人がミスを犯しえないシステムの構築」であり、組繊を挙げての積極的な活動が要求されることである。また練馬総合病院の発表は、新しいクリティカルパスの作成に品質機能展開(QFD)の手法を用いており、病院におけるこのような試みはこれまで発表されていない。因みに午前の特別講演でQFD手法の考案者である朝日大学の赤尾洋二教授の講演が行われ、今後病院の質向上活動における1つの有力な手法となるであろうと思われた。このセッションで優秀賞を受賞したのは、「当院におけるピアレビュー活動とその周辺」を発表した名古屋記念病院であった。これは「医療の質の評価と向上」を目的にした院内の各種活動を統括し、さらに包括的な問題を検討すべく、ピアレビューセンターを設置した活動を報告したものである。このセッションのいずれの発表も従来の小集団(サークル)活動の枠を越えるものであった。QCストーリーに則った事例発表は4つのセッションに分かれて行われ、このうち業務改善に関するもの12題、患者満足度向上に関するものが6題であった。前者の中で看護業務の能率化、コスト削減、職種間の連携、医療ミス防止に関するものがそれぞれ2題であり、その他の業務改替が4題であった。このうち優秀賞を受賞したものは「未使用消毒綿球の破棄量を減らそう」と題した武蔵野赤十字病院サークルの発表であり、これはコスト削減を目的にしたものであった。一方、患者満足度向上をテーマにした6サークルのうち、実に4サークルが優秀賞を受賞している。このようなテーマの方がより切実であり、聴くものにとって分かり易かったせいかもしれない。いずれにせよ、どのサークルの発表もそのレベルは高く、参加者は大いに参考になったことと思われる。この大会は病院の質向上意識の普及と共に年々参加者が増加し、今回も会場に溢れるような熱気が感じられた。しかし何と言っても一番盛り上がったのは、表彰式であり、受賞のコールのたびに会場がどっと沸き、受賞サークルの喜びようは尋常ではなかった。このような表彰は今回が最初であったが、これからも日頃の活動の励みと発表による達成感を味わうために是非継続して欲しいと思います。

次回の第3回発表大会は飯塚病院の担当で、福岡で開催されます.医療の質向上活動が燎原の火のごとく広がり、多くの方が博多の地に参集し、発表大会の喜びを分かち合えることを願っております。

アンケート結果報告
平成12年11月25日に行われた『第2回フォーラム』でのアンケート結果がまとまりましたので、その一部を報告致します。



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